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札幌地方裁判所 昭和51年(ワ)405号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一別紙目録(四)記載の共同住宅の賃料月額収入が合計一二万円であることを前提に売買価格を取決めたにもかかわらず、それが八万円に過ぎなかつたという場合に、民法第五七〇条を根拠に買主が売主に対して請求しうべき損害額は、通常、賃料月額収入を一二万円とした場合の売買価格とそれを八万円とした場合の売買価格との差額であると解すべきである。民法第五七〇条は、買主の代金額を決定するさいに基礎に置かれた想定上の財産権と比較して、売主から給付された実在する財産権が不完全なものであつて、買主の代金債務との等価的均衡が欠如した場合に、それを回復、確保することを目的とする制度であるからである。また、このことは売主の担保責任に関する他の規定を(類推)適用する場合も同様であり、他に契約締結にともなう買主の出費等を付加しうることがあるにとどまる。さらに、民法第七一九条、第七〇九条により(共同)不法行為として請求する場合にも、右金額が損害額算定の基礎とされると解すべきである。

しかるに、原告は、原告が被告らに請求しうべき損害額は、一二万円と八万円との差額月額四万円年額四八万円につき、右共同住宅が存続しうべき昭和七五年五月分までの総計であると主張し、当裁判所がその検討を求めたのに対し、その主張を変更したり、その主張に付加したりするところはないと陳述するのみである。

原告の主張を前提にすると、原告が請求しうべき損害額は、二四年以上の期間、年額四八万円の合計一一五二万円以上、仮に原告の主張するホフマン法によるとその現在価額は七四〇万円以上であり、本件売買代金一八八八万円の中で右共同住宅の代金が占めたであろう金額と大差はないかそれ以上であると推測され、目的物の瑕疵が部分的な場合でも、買主はその代金と同程度かそれ以上の金額を請求しうる結果となり、明らかに不合理である。

(田中優)

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